Q 途中式って書かなきゃダメなんですか?
A えっと、いま1次方程式の応用問題のところですよね。途中式っていうとエックス使って、式立てて解くやつのことかな?
Q えーと、そうです。答えの前に書く式。学校の先生は「途中式も書きなさい」ってうるさく言うんだよね。
A そうですねぇ・・・例えばこういう問題があったとします。
【例題】同じ値段のりんごを6個買って100円の箱に詰めたら全部で1060円になりました。りんご1個の値段は?
Q 160円!
A はやっ(笑)ていうかどうやって考えたのかな。教えてください。
Q 160円が6個で960円でしょ?だから100円の箱を合わせて1060円だからだよ。
A うーん・・・まあ、そうですね。そこんとこ、もうちょっと詳しく。途中の計算とか。
Q えーっとねぇ・・・。うーんと。1060-100=960で、これがりんごの値段だから・・・
A うんうん。
Q だから1個あたり160円!
A ん?(笑)ま、そうだね。960÷6=160ってことだよね。
Q そうそう。けど、これだと「X」使ってないよね。
A そうなんですよね。えーと。数学的に解く場合、まず条件に合わせて立式するんです。
Q 立式?
A りんごの値段がわからないからとりあえず「X円」ということにしておいて、6個で「6X」さらに100円を足したら1060円になりました。
っていうことで「6X+100=1060」っていう式を立てます。
Q はい。それは習いました。
A で、方程式のルールに従って「X=160」という解を得て、これが問題にあっているかを確かめて、OKなので「答え160円」となります。
Q ・・・・・。わかった。ような?
A 算数は「条件に照らし合わせながら立式と計算を繰り返す」のに対して、数学は「最初に立式を済ませ、計算は後からまとめて」やります。
りんご6個の値段は1060-100=960だから・・・とかそういう先読みはなるべくしないで、とにかく方程式を立てることに集中する。
つまり「立式と計算の分業体制」をすることに慣れていってください。
Q うーん・・・。
A 最初から答えが分かっている問題なのに何で? て思うかもしれないけど【面倒がらずに立式して解く】ようにして欲しいんです。
何て言ったらいいのかな。この先どんどん扱う問題が難しくなった時に、暗算や逆算だけでは手に負えなくなる時が必ずやってきます。
Q そうなんだ。
A その時になって「さあ方程式立てなきゃ」って思っても、慣れていないせいでうまくいかなかったり失敗したりすることもあります。
今は本番前の準備運動だと思って面倒がらずに立式する練習をしていきましょう!
(参考:中1男子(中高一貫私立)からの質問より)
【塾長からひとこと】
中学受験を経験してきた子たちは「算数脳」がものすごいです。パターン化された問題を最速で解くよう鍛え抜かれているんですね。
ところが中学で数学を習い始めると、ある種の違和感を感じるようです。そのモヤモヤを引きずったまま、中2中3へと進んでいった結果、
「いつのまにか数学が解らなくなっている!」という事態に陥ることがあるようです。私は過去にそういった例をいくつか見てきました。
その原因の多くは本文で触れたように、中1の段階で「1次方程式を暗算や算数で解いてしまう」ことにあるようです。つまり高い計算能力が裏目に出てしまうんですね。
それでもテストではそれなりに点が取れてしまうので、周りの人間も本人さえも気づかず放置していたりすることも多いのです。ところが扱う関数が、
「1次関数」から「2次関数」「三角関数」へと進んだあたりで破綻は訪れます。これらには算数ワザの基本となる四則演算がほとんど通用しないからです。
こうまで言うと、私が算数をディスっているように聞こえるかもしれませんが、決してそんなつもりはないんです。
いや、むしろ「受験算数独特の感性、発想力、思考パターンなどは素晴らしいもの」だと思っています。
また、それらは将来、数学の難問に立ち向かっていく際に再び必要になります。
例えるなら、算数は「伝統職人のワザ」。数学は「文明の利器、誰でも使える便利な道具」なのです。
であれば、熟練の職人さん(受験算数を学んできた子たち)が最先端の道具(方程式)を早めに使いこなすようになれれば・・・
正に「鬼に金棒」なのは言うまでもないことでしょう。