Q 数Aで出てくる「P」と「C」の違いがよく分かりません
A 順列と組み合わせですか。そうですねぇ。まず、例をあげてみましょうか。
【例1】A,B,C,D,Eと書かれたカードがそれぞれ1枚ずつ計5枚あり、そこから1枚ずつ取り出し左から順に3枚並べる場合の数
【例2】A,B,C,D,Eと書かれたカードがそれぞれ1枚ずつ計5枚あり、そこから同時に3枚取り出す場合の数
例1は「₅P₃」と表し、答えは5×4×3=60
例2は「₅C₃」と表し、答えは(5×4×3)/(3×2×1)=10
こういうのですよね。
Q そうそう。それです。『並べるときは「P」取り出すときは「C」』使えばいいんですよね?
でも、そういう分かりやすい問題のときはいいけど、もっと色んなシチュエーションあるじゃないですか。
サイコロ振ったり、赤玉、白玉、取り出したり、グループに分けたり。
いろいろやってるうちに、どういうときに「P」使ってどういうとき「C」なのか、何か、もうよく分かんなくなってきて・・・。
A 『並べるときは「P」選んだり取り出すときは「C」』っていうのは、まあよくある説明ですね。
参考書で調べたり、ネットでググってみると大抵そういう説明に行きつきます。確かにそれはそれで間違ってはいないです。ですが、本質はそこじゃないんです。
Q 本質って?
A えーとそうですね。我々が解く問題は数学とは言っても実際の所、問題文自体は「日本語という言語」で書かれてますよね?
Q そりゃまあ、そうだけど(笑)
A だから言葉のアヤ?っていうのかな。まぎらわしい表現をしようと思えばいくらでも惑わすような言い方って出来てしまうんですよね。
あるいは本質は全く同じ問題なのに言い方を変えただけで別の問題に見えてしまったりとか。
Q 言葉のアヤ・・・
A そして「順列と組み合わせ、確率」の単元は、それが最も顕著に表れてくる分野のひとつなんです。
Q じゃあ、どうすれば・・・
A 順列と組み合わせの本質はですね。ぶっちゃけて言うと『区別できる』か『区別できない』かの違いです。
Q 区別?
A 先の例題で見てみましょうか。【例1】の場合、まず前提条件として5枚のカードはそれぞれ区別できます。
そして並べた3枚のカードは「左」「真ん中」「右」といった具合に位置が特定出来ます。つまり区別できます。
対象の3枚のカードは、種類も位置も完全に識別可能なので、これは「ふつうに順列の計算でOK」ということになります。
Q えーと・・・・・はい。
A 次に【例2】の場合、5枚のカードが区別できるところまでは同じなのですが、同時に3枚取り出し、並べてもいないので位置が区別できません。
だから例1では区別出来ていたはずの3か所の位置の並びの数である「3!=3×2×1=6」が区別できなくなってしまったので「₅P₃」を6で割って答えは10。
そして、言い換えれば、これこそが「₅C₃」の意味にということになります。
Q あー、たしかに。60÷6=10になってる。うーんと、つまり。区別されないときはその数っていうか階乗?で割ってやれば組み合わせの答えになるってことかな?
A まあ、そうですね。そういう解釈で大体あってると思います。じゃあ、最後にこういうのはどうかな。ちょっと考えてみて欲しいんだけど。
【例3】Aと書かれた同じカードが5枚あり、そこから3枚取り出し、テーブル上のカード置き場5か所のうち3か所に並べたとき、その場合の数。
Q ん?なにこれ。全部「A」ってことは区別できない・・・でいいんだよね。で3か所に「並べる」?
えーと、並べるって「P」っぽいけど、でも、これやっぱ組み合わせでしょ(笑)「₅C₃=10」でいいんじゃないかな。
A そうですね(笑)じゃあ【例3】をちょっとだけ言い換えてみますね。
【例4】A,B,C,D,Eと書かれたカード置き場がそれぞれ1つずつ計5か所あり、そこに区別できない3枚のカードを同時に置いた場合の数
Q あ、なんとなくわかります。言い方違うけど同じことを言ってる。これも「₅C₃」
A で、その【例4】と最初の【例2】を見比べて見てください。
【例2】A,B,C,D,Eと書かれたカードがそれぞれ1枚ずつ計5枚あり、そこから同時に3枚取り出す場合の数
【例4】A,B,C,D,Eと書かれたカード置き場がそれぞれ1つずつ計5か所あり、そこに区別できない3枚のカードを同時に置いた場合の数
Q あれ?すごく似てる。ていうか同じじゃん(笑)
A そうそう。【例2】【例3】【例4】と言い方は違っても本質は変わらないんです。そしてその見極めるポイントが『区別できるかできないか』なんです。
日本語の表現に惑わされず、「問題の本質を見抜く」ようにしましょう。その補助として「図を描いてイメージするのもいい」かもですね。
(参考:高1女子からの質問より)
【塾長からひとこと】
本文中では「区別できるかできないか」と書いたんですが、正確に言うと「区別されているかされていないか」です。
「出来る出来ない」と言うと、読み手の主観に頼ることになっちゃいますもんね(笑)
実際の所、「区別されているかされていないか」は問題文中の設定なので、冷静に読めばちゃんと分かるようになっています。
ただ、そうは言っても、ちょっと説明不十分な問題を見かけることも、あるにはあるんですよね・・・
例えば「りんご5個、みかん1個から自由に3個取り出す」というような設定では、りんご5個はそれぞれ同じものとみなしてよいのか?が不明確です。
りんごにもそれぞれ個性がありますから。なので「ただしそれぞれのりんごは区別しないものとする」とかの補足が必要なんですが、
それが欠けている問題に出会うこともあるかもしれないです。そういう時は・・・
ま、仕方がないので、忖度してあげましょう(笑)
P.S.
ちなみに対象が人間の場合は、特に何も書いてなくても自動的に区別されることになってます。
まあ、当然と言ったら当然なのかもですが、りんごから見たら不公平じゃん!って思うかもですね(笑)